tamorinrin’s blog

読んだ本の感想

採用基準 伊賀泰代

コンサルタントと言えば問題解決スキルと思われている方には意外かもしれませんが、リーダーシップこそコンサルタントにとって最も重要なスキル。

・問題を解決するにはそれらの言語化された解決策のステップを、ひとつずつ行動に移していく必要がある。その時に必要になるのがリーダーシップ。

・目上の人に対してどう振舞うべきかを叩き込まれてる人の中には、礼儀だけでなく議論にもヒエラルキーを持ち込みがち。

・日本では、本来、成果目標を問うべき状況にもかかわらず、その目標が明確にされないために、みんなが和を優先し、誰もリーダーシップを発揮しないことがよく起こる。

・自分の成長スピードが鈍ってきたと感じたら、できるだけ早く働く環境を変えることです。

・リーダーがなすべき四つのタスクは、目標を掲げる、先頭を走る、決める、伝える。

マッキンゼーの基本動作は、バリューをだす、ポジションをとる、自分の仕事のリーダーは自分、ホワイトボードの前に立つ。

・リーダーシップというものは、すべての人が日常的に使えるスキルであること、訓練を積めば、誰でも学べるスキルであること。

・リーダーとは何をすべきなのか、そのためにどう振る舞うべきかを理解し、小さな場面でそれらを体験して成功体験を積み重ねることにより、ごく普通の人がリーダーとして活躍できるようになる。

・どこに向かうべきかという成果目標を設定し、自らハンドルを握ることで運転の負担とリスクを負う覚悟を決め、具体的にどの道を行き、どこで止まり、どこで引き返すのか自ら判断する。同乗者にそれらの決断について伝え、納得してもらう必要もある。彼らは車から降りるかもしれない。成果が達成できないと思われた場合も同じ。

マルクスの資本論見るだけノート 白井聡

マルクス資本論について分かり易い本でした。

商品が生まれ貨幣ができ資本が誕生。この資本というものが厄介で自己増殖を続ける。資本家は資本の人格化であり、お金儲けが目的となっていく。資本による労働者の搾取が行われ、労働力を使い尽くされる。労働者は自分の労働力を売る自由と労働力以外にある商品がない、二重の自由を、持っており資本家のもとで働くしかない。資本家は労働者を働かせるために知恵を絞り働かせるだけ働かせる。そして資本は自然からも搾取し資本主義は環境を破壊する。資本間の競争がなければ独占資本が形成される。恐慌の根本的原因は利益を増やそうとする資本家が労働者を低い賃金で働かせることにあると考えた。民衆が立ち上がり、少数の独占資本から富を奪い返し、労働者中心の社会が実現したとき、資本主義の終焉のとき。

んー、考えさせられる。

バフェットの財務諸表を読む力

明解な主張で、

①永続的な競争優位性を持つ優良企業をどのように見分ければ良いのか?と②永続的な競争優位を持つ優良企業をどのように評価するのか?の2点。

・永続的優位性を持つ企業は、ユニークな製品を売っている、もしくはユニークなサービスを売っている。一般大衆から安定した需要がある製品を低コストで仕入れて低コストで売っている会社。

・ウォーレンにとって永続的競争優位性を持つ企業の株はエクイティ・ボンドと同じ。債券の利息は固定されているが永続的競争優位性を持つ企業の税引前利益は年を追うごとに増加していく。

・優良企業の株を買うタイミングは、弱気相場を狙うこと。はまをやらかしたり愚行を犯したりして短期的に下落した局面。一時的なトラブルは解決可能でなければならない。

・永続的が最も重要。

 

マンガ 歎異抄をひらく 脚本:和田清人 漫画:太田寿

「人生は苦なり」その原因と解決の道を明らかにしたのが仏教。

悟りを開いた釈迦が、最初に開いたのは、「苦・集・滅・道」の4つの真理。苦とは思い通りにならないこと。その原因は煩悩と説くのが集の真理である。煩悩の中でも特に我々を苦しめるのは「貪欲」「瞋恚」「愚痴」である。煩悩が消滅した世界を涅槃といい、涅槃寂静の安らかな悟りの世界があると教えられたのが滅という真理。どうすれば不動の悟り(涅槃)が得られるのかその方法を解くの真理が道である。

投資銀行青春白書 保田隆明

・証券会社での投資銀行ビジネスや実情が分かりやすく描かれていました。案件走り出すと追い込まれていくが、やり甲斐もあるわあに感じました。

・MAの流れがストーリー形式でわかりやすく理解が進みました。

楽天IR戦記 市川祐子

筆者がNECから楽天に転職し、IRに関わっていく話。筆者の視点から実務が分かり面白く分かりやすい。大企業とベンチャーでのやり方の違いや考え方の違いなど示唆に富んだ著書だった。

・広報とIRの違いについて、広報の目的の代表的なものが企業イメージの向上であるのに対して、「IRは株をかってもらうこと」が日々の目標であり、究極の目的は資金調達であると考えている。

・自社の企業価値を議論できる日本の会社が少ないと投資家に言われた。

・短期間で多数の投資家に投資判断を行わせるディールでは、価値を証明するトラックレコードがより重視される。平時の中長期のスパンのIRには、価値を創るストーリーが重要になる。

・深い分析を行う投資家は、本源的価値と株価との差を分析することでまだ評価されていない会社を早くから発見し、高い投資リターンを得ることができる。企業にとっても世界中の企業を分析している彼らとは、高い見識を持って深い議論を交わすことができ、真の株主として尊敬できる関係を構築できる。

・資本にコストがあるとは?銀行借り入れの場合は利息。株主には利息や返済などの一切の保証がない。そこにあるのは配当や株価上昇への「期待」だけです。株主が最低限期待するリターン、それが株主の資本コストになります。2012年に行われた調査では、国内機関投資家が求める期待リターンは6%超、海外投資家は7%超。

・にほんでゃ資本コストを意識したことがないという企業は約600社のうち6割。

はじまりは1軒のレストラン 村田邦彦

創業者の村田氏がピエトロを創業するお話でした。父から継いだ飲食店が廃業し、サラリーマンを経て飲食店を一から展開。オープンから2-3か月後にドレッシングをわけてくださいとお客さんが来社。かねてからの付き合いのある社長が事業展開するならドレッシングではないかとアドバイス。それからドレッシング事業を展開。大きくなる事業はどこかで芽がでており、それが軸となって展開されていくのか。頭で考えたゼロからの事業計画を作るより、小さく始めて芽を見つける方が成功確率はあがるのではないかと思ったしだい。それ以外にも村田氏の芸術肌、多才、遊び心が作り上げた企業ではないかと思った。「已むを得ざるに薄りて、しかる後にこれを外に発する者は花なり」