tamorinrin’s blog

読んだ本の感想

中村天風の行動学 武田鏡村

・ロシア軍の情報収集する為に諜報部員として活動し、死線を生き抜いて帰還。帰国後は、不治の病とされていた肺結核にかかる。救いを求めて世界に出てヨガの聖者カリアッパ師と出会った。修行をして、病は気からの本当の意味を知り次第に健康を取り戻していった。

・言霊の力:言葉の使い方次第で、実在意識→潜在意識→神経系統→生活機能に影響を及ぼす。

・大宇宙はそれ自体が広大な空間であるが、それを認識出来る人間の心こそが、その大宇宙よりもさらに偉大ではないか、と述べている。

・人間の多くは、造物主から与えられた心の偉大さを忘れ、いつも自分の体や神経の些細なことばかり気にしている。しかし人間は造物主と深く繋がっておりそのことを自覚する必要がある。造物主とは人間を含めた一切の万物を作り出したもの。

・造物主の心はすべて積極的であり、消極的なものはない。私たちの心が不安や心配、恐怖といった消極的なものに支配されると結び目が緩む。積極的な造物主の心は真・善・美であると説く。真は誠、善は愛情、美は調和。

・捨欲は消極的な生き方として否定し大いに欲望の炎を燃やせと人生を積極的に生きることを提唱する。欲望には苦しい欲望と楽しい欲望の2つがある。楽しい欲望の最も尊いものとして霊性の満足を目標とする欲望。霊性が満足する欲望とは自分の言葉や行いによって、他人を喜ばせることを目的とすること。何の見返りも求めない無私の行為。

・真の積極心とは事あるも事なき時も、常にその心を泰然不動の状態であることを言う。

・自己中心主義を否定し、思いやりこそが、人間をはじめ、万物万象の真理であり、相互の協調によって、すべてのものは存在している。

・天風は宇宙の真理であり、人間が行うべき普遍的な真理である真・善・美についてこう説いている。真はありのままの誠、善は絶対的な愛、美は完全な調和。絶対的不変で時代が変わり社会が変化しても不変的なもの。善は自己本位の気持ちではなく、お互い人間同士の間柄を極めて円満に融和するような言葉と行為を心がけて確実に実行すること。

・誠とは言行一致させることによってさらに向上し深まる。誠の精神の極致を到誠という。

・誠という字は言と成からできている。これを志し、これを述べることを言といい、これを言いこれを行うことを成という。人が至誠に至れば、神と人を感応し、万事ことごとうまくいく。

・人生は現在を尊く活きることである。それには理屈なしに三忽三行を専念するべきである。三忽:①怒らず②恐れず③悲しまず

三行:①正直②親切③愉快