tamorinrin’s blog

読んだ本の感想

バイアウト 産業と金融の複合実務 佐山展生 山本礼二郎

バイアウトとは、株式の過半数を取得し、企業価値を高めるために適切な関与をし投資利益の実現をする経済活動。1997年の「金融ビッグバン」の時期にアドバンテッジパートナーズが日本初のバイアウト専用ファンドを提供。1998年に中小有責法が制定され、GP以外の投資家は有限責任となり多くのファンドが組成されるようになった。バイアウトファンドは、「良い会社」を実現する一つの手法。産業と金融のノウハウが融合することにより、全ステークホルダーにメリットのある「良い会社」を実現を目指す。良いバイアウト・ファンドは正しく強い信念、対象企業を見る目、適切な条件での投資実行、そして企業価値向上のため投資テーマを対象企業とともに完遂する力が必要。対象企業を見る目は単なる財務データの分析力だけでなく、働いている一人一人を見ること、やる気のベクトル、出力係数を把握し感じる力が必要。今後勝ち残っていくファンドは退路を断った人の集団で構成され自分で考え行動し、自らの判断でリスクを背負ってやる気構えを持つ集団。バイアウトは投資対象で働く役職員の人生をも左右する業務であることをよく認識し、共感する人を集めることで企業価値向上が望める。