tamorinrin’s blog

読んだ本の感想

江副浩正 馬場マコト・土屋洋

情報産業にいち早く手を出した気鋭のリクルート創業者。先見性と行動力に感化された。リクルート事件は、タイミングが悪かったこともあるが本人の謙虚さが消えたことが一番の問題だったのかもしれない。

本書では江副2号と書かれているが、世間から注目されればされるほど謙虚でいるのがいかに難しいことかをかんじた。その後はダイエーの中内さんへリクルート売却。時代についていけなかったダイエーも産業機構入りし、1000億でのMBO,未だに人材輩出企業として名高いリクルートの文化は江副さんのDNAが未だに残っているのだろう。

・江副さんは、創業の早いじきから、リクルートは情報サービス業であると認識していた。情報の送り手ではなく、情報の受け手である読者の意見を大切にした、本づくり。リクルートには顧客が2人いる。広告主と読者である。どちらか一方を選ばねばならぬ時は、後者を選ぶ。第一の顧客は、学生であり読者である。したがって、読者にしたくない企業との取引は、たとえ商道徳に反すると批判されたとしても行わないことにしている。

・チャレンジ精神や個を尊重し、自ら機械を創り出し、機会によって自らを変えよ、を実践し世の中にインパクトを与えこうとする企業文化は、今もなおリクルートに存在する。江副さんの残した功績は、二つ。情報誌を創り出したこと。成長する企業の思想と仕組みを創ったこと。